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帰って来たあたし達は、お風呂に入ることにした。 「零さー。知らなかったの?」 眞鍋さんの奥さんが自分の知り合いだったことを、という意味を込めて聞いてみた。 「全然。昔兄貴と付き合ってたんだけど、別れてからどうしてるかなんて知らないだろ。兄貴ともそんな話できないし」 「そうだよねー。でもなんかいい人そうだったね」 魅力的な人だったから、眞鍋さんはいずみさんを選んだのかな、なんて考えてしまった。 いまさら考えることでもないのに。 「栞、平気だった?あんなに眞鍋さんに急接近して」 「大丈夫。なんかそれよりも、いろんな偶然にびっくりしてそれどころじゃなかった」 あたしは苦笑いをした。 「まぁ、もう会うこともないと思うけど」 この時はそう思ってた。 本気で。 だけどそんな予想もはずれ、あたしはいずみさんと再会することになる。 「栞ちゃん?」 休みの日に、一人で雑貨屋をプラプラしていたときだった。 「いずみさん…」 .
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