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「それくらいいい男だよ、ちなみに元カレなんだ」 「あ、前に零から聞きました…」 「零君そんなことまで話したのー?」 いずみさんは頬を膨らませた。 「ま、過去の話しだけどね。別れてから一度も連絡してないから、零君ともずっと会ってなくて…だから授賞式で会ったときは驚いちゃった」 「零も、いずみさん結婚してるって知らなかったみたいで驚いてました」 「そっかぁ…」 そのあとも零の昔の話をしたり、仕事の話をしたりした。 いずみさんは専業主婦だということを知った。 本当にいい人で、かわいくて優しくて、どうしてこの人が眞鍋さんの奥さんなんだろうと思った。 大分時間も経ち、あたし達は喫茶店を出た。 先を歩くいずみさんの首に、アザがあるのを見つけた。 「首…どうかしたんですか?青くなってますよ?」 いずみさんは焦ったようにそれを手で隠した。 「こないだ部屋を片付けていたら、本棚の本が落ちて来て…」 あたしはそれを疑いもせずに聞き入れた。 .
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