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うちに着いてさらに落ち着いたいずみさんは、小さな声でごめんなさいと言った。
「そのアザ、旦那さんが?」
零が聞いた。
いずみさんの目から涙がこぼれた。
「…前から…こういうことはあったの」
いずみさんはポツリポツリと話し出した。
「最初は…仕事で…うまくいかなかったり…そういうときに暴言吐かれるだけだったんだけど、それが…だんだんエスカレートして来て…」
あたしは言葉を失った。
本当に眞鍋さんがそんなことするなんて信じられなかった。
「外にも、あんまり出してもらえなくて…ケータイの履歴とかもチェックされて…何か言ったら殴られるし…我慢してたんだけど………もう…限界だよ…」
鳴咽混じりにいずみさんは話した。
あたしも零も、何も言えなかった。
何を言っていいのかわからなかった。
いずみさんを客間で寝かせ、あたし達はベッドに入った。
でも、寝付けるわけがなかった。
「いずみさん…これからどうするのかな?」
あたしはつぶやいた。
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