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純也は少し怒っているようだった。
「てか、俺が呼ぶ。ちょっと電話しに外出る」
そう言って純也はケータイを持ってベランダに出た。
それから間もなくして零が来た。
「お前よ、他の女のことで自分の彼女悩ませるんじゃねーよ」
零が座った瞬間、純也が喋り出した。
その剣幕に、あたしも亜希も少し驚いた。
「わかってるよ」
「わかってねーから言ってんだよ。今はなんとも思ってないかもしれないけど、昔好きだった女を側に置いとくのがおかしいんだよ」
「昔…好きだった?」
熱くなった純也に亜希が聞いた。
「何考えてるのかしらねーけど、今回の行動はおまえが間違ってる」
話がいまいちよくわからなかった。
ただ一つだけわかっているのは、零が昔、いずみさんを好きだったってことだ。
「…」
零は何も言わず、難しい顔をしていた。
「亜希行くぞ」
純也はそう言って部屋を出た。
亜希も戸惑いながらそれについていく。
部屋にはあたし達二人だけになった。
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