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「ごめん、悩ませて」
零が口を開いた。
「純也が言ってたの、本当なの？いずみさんのこと昔好きだったって…」
「…うん」
「今も好きなの？」
零はため息をついた。
そして少し怒ったように言った。
「じゃぁなんで俺は栞といるの？そんなに信用ない？」
「だって…いずみさんのこと抱きしめてたじゃない。あたしにもずっと同じことして、他の人にもするの？それじゃぁあの人と変わらないじゃない！」
あたしは取り乱したように言った。
涙が溜まった目で零を睨んだ。
「いずみさんは確かに眞鍋さんの奥さんだけど、本当にいい人だからそんなこと関係なかったし、心配だったからうちにいてもらうことも何とも思ってなかった。でも…零が特別な目で見てるなら話は別だよ」
「だから、今はなんとも思ってないよ」
「今とか昔とかそういうことじゃない。零が好きだった人がこんなに近くにいるんだよ？そんなのイヤに決まってるじゃない」
あたしはついに泣き出してしまった。
しかも声をあげて。
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