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「それがあって、兄貴と別れたって言ってた。本当は別れたくなかったらしいけど、そこはどうしようもなかったらしい」
「…そうなんだ」
「付き合っているうちや、結婚したばかりのときは優しかったんだって。でもだんだん暴力を振るわれるようになって…」
「そう…だったの」
あたしは下を向いた。
いずみさんのことを思うと胸が痛くなる。
「いずみさんが求めているのは兄貴だよ。昔も今も。だから、俺とどうにかなることは絶対ない。俺にも栞がいる。何回も言うけど、本当にいずみさんに対して特別な感情は持っていない。そこだけはわかってほしい」
「わかってる…ごめんなさい。零の気持ち、わかってるのに信じなくて」
「…帰ってきてくれる?」
零があたしの顔をのぞきこむ。
「うん…」
こうしてあたし達は仲直り?した。
にしても、いずみさんが零のお兄さんをまだ好きということは、眞鍋さんに対して愛はなかったのだろうか。
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