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「れ…い?」
意識が朦朧としてるなか、あたしは零の名前を呼んだ。
零はあたしの頭の上でゴソゴソと何かをしていた。
「零?」
あたしがそれに気付いたときにはもう遅かった。
あたしの両腕は頭の上でがっちりと浴衣の帯で固定されていた。
「やだぁ!取って!」
あたしの必死の懇願も、零には全く通用しないみたいだ。
むしろ零は最初に会ったときの爽やかな顔で微笑んでいる。
「いいじゃん、どうせもう会うことないんだし。だったら思い切り乱れたとこ見せてよ」
「え?」
「てか、乱れさせる」
その言葉が合図だったかのように、零はまたあたしに激しいキスをしてきた。
「…夜はまだ始まったばかりだよ」
そう言って零はあたしの唇を舐めた。
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