32359人が本棚に入れています
本棚に追加
あったとしても、それは最初だけだったのかもしれない。
あたしが見た二人は、幸せそうに笑い合っていた。
眞鍋さんへの想いを断ち切らせなきゃと思うくらい。
それに、いずみさんと眞鍋さんの結婚が、ずっと前から決まっていたなんて。
あたしは初めから遊びだったのかな。
眞鍋さん、あなたはやっぱりずるい。
最低な男だと思います。
そんなあなたに心底惚れてたあたしは、本当にバカだったんですね。
いろんな思いが駆け巡った。
「いずみさん、これからどうするの?」
あたしは零に聞いた。
「…離婚したいとは言ってたけど、一人じゃ難しいだろうな」
「それじゃあどうしたら…」
「兄貴に任せてみようと思って。弁護士なんだ。だから、いろいろ力になってもらえると思う」
零は笑顔で答えた。
「兄貴は兄貴でいずみさんのこと気にしてたみたいでさ。だから大丈夫だと思う」
「それならいいけど…」
「うん。だからとりあえずうちに帰ろう。いずみさん心配してたよ」
.
最初のコメントを投稿しよう!