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あったとしても、それは最初だけだったのかもしれない。 あたしが見た二人は、幸せそうに笑い合っていた。 眞鍋さんへの想いを断ち切らせなきゃと思うくらい。 それに、いずみさんと眞鍋さんの結婚が、ずっと前から決まっていたなんて。 あたしは初めから遊びだったのかな。 眞鍋さん、あなたはやっぱりずるい。 最低な男だと思います。 そんなあなたに心底惚れてたあたしは、本当にバカだったんですね。 いろんな思いが駆け巡った。 「いずみさん、これからどうするの?」 あたしは零に聞いた。 「…離婚したいとは言ってたけど、一人じゃ難しいだろうな」 「それじゃあどうしたら…」 「兄貴に任せてみようと思って。弁護士なんだ。だから、いろいろ力になってもらえると思う」 零は笑顔で答えた。 「兄貴は兄貴でいずみさんのこと気にしてたみたいでさ。だから大丈夫だと思う」 「それならいいけど…」 「うん。だからとりあえずうちに帰ろう。いずみさん心配してたよ」 .
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