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いずみさんにも心配かけて悪かったなと思った。
ただでさえ自分のことで不安定なのに。
マンションの外にいた亜希と純也に御礼を言い、あたし達はうちに帰ることにした。
「あれ…」
玄関に入って、零が先に異変に気付いた。
「いずみさんの靴がない」
嫌な予感がした。
二人で慌ててリビングまで走る。
やっぱりいずみさんはいなかった。
「零、これ…」
あたしはテーブルの上に置き手紙を見つけた。
零がそれを手にとって読み上げた。
「零君、栞ちゃんへ。やっぱり帰ります。電話で話したら、彼も反省してるみたいだったから。今日はもう遅いので、明日必ず連絡します。ありがとう。いずみ」
「反省なんてしてる訳無いじゃない…」
あたしは言った。
零はなにか考え込んでいる。
「あたし電話してみる」
「明日連絡するって言ってるから待とう。眞鍋さん、いずみさんの交友関係も厳しくチェックするって言ってたから、あんまり下手なことしたら状況悪化するかもしれない…」
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