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「どうして?どうしてこんな監禁みたいなこと…」
あたしは眞鍋さんを見た。
見たこともないような冷たい顔をしていた。
「関係ないだろう、君には」
「関係ないわよ。あなたとは。でも、いずみさんは放っておけないの」
掴まれた腕を強引に振り払った。
眞鍋さんは変わらずに冷たい顔であたしを見下ろしている。
「…いずみさんのこと、愛していないの?」
「愛してるよ。だから、君を捨てたんだ」
眞鍋さんがそう言ったあと、いずみさんがドアの向こうで座り込んだような音がした。
「…あたしのことは最初から遊びだったの?」
「あぁ」
ずっと聞きたかった。
でもその答えは残酷だった。
「捨てられてよかった。あなたみたいな最低な人にはね…」
あたしは軽蔑の眼差しを向けた。
それが気に入らなかったのか、あたしは床に押し倒された。
「痛っ、離してよ」
完全に馬乗りされ、あたしは抵抗が出来なかった。
「いずみが悪いんだ。いつまでも他の男を想っているから」
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