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「違うわ!あなたのことを愛して結婚したのに、あなたがあたしを殴るようになったときからおかしくなったのよ!」
「黙れ!」
眞鍋さんはドアを思い切り叩いた。
「意味もなく、ただ自分がすっきりしたくて殴っていたじゃない!あなたのこと愛してた。それなのに…もう無理よ」
いずみさんはそう叫んだ。
「じゃぁあの男はなんだ?お前が前に付き合っていた男…まだ好きなんだろ?」
零のお兄さんのことを言っているのだろうと思った。
「確かに、あたしは泰輔を求めてる。でも、そもそもあなたが無理矢理別れさせたんじゃない。だけどあたしはあなたを責めなかった。むしろ付き合っていくうちにどんどんあなたに引かれていった。本当に愛していたのに…あなたが暴力であたしを裏切ったんじゃない!」
「…あなたにいずみさんを責める資格はないじゃない」
「黙れ!」
頬に痛みが走った。
殴られたことに気付いたのは少し後だった。
「いずみもお前も…俺のせいにしやがって」
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