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「人の女に手ー出すんじゃねーよ」
目を開けると、眞鍋さんの襟首を掴んだ零がいた。
零はそのままあたしから眞鍋さんを無理矢理引きはがした。
「栞！大丈夫？」
「亜希…どうして？」
「零君に電話したの。あまりにも遅いから…」
亜希はあたしを起こすとそのまま優しく抱きしめてくれた。
「あ、いずみさん…」
あたしは鍵を開けた。
するといずみさんが飛び出して来て、あたしに抱き着いてた。
「栞ちゃん、ごめんね…こんなになって…」
「あたしは大丈夫ですよ」
そう言ってあたしは泣いて謝るいずみさんを落ち着かせようとした。
「俺は離婚なんてしないぞ」
床に座り込んだまま、眞鍋さんが低い声でつぶやいた。
「では、決着は法廷でつけましょうか」
声のするほうを見る。
すると見知らぬ男が眞鍋さんを睨むように立っていた。
どこと無く、零に似ている気がした。
「泰輔…」
いずみさんが目を大きく見開いてつぶやいた。
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