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「今日飲みに行こー」
章介の提案で、海外事業部のみんなで飲みに行くことになった。
部長は抜きで。
仕事帰りにそのまま行こうということになり、あたし達はみんなで会社を出た。
「そういやさ、思い出させて悪いんだけど…」
上総が言いにくそうにあたしを見た。
零と司と章介は少し先を歩いている。
「どしたの?」
「眞鍋さん、仕事辞めたらしいよ」
あたしは素直に驚いた。
あの人は仕事が一番の人だったから。
きっと、いずみさんとの離婚が関係しているのだろうと、あたしは一人で考え込んだ。
「まぁ、デキる人だからすぐにどこかから誘いがくるんじゃないかな」
「そうかもね」
「上総。栞と何話してるんだよ」
零があたしと上総の間に割り込んでくる。
「妬くな、うっとおしい。お前が先行ってたんだろ」
そのまま上総は足早に司と章介に並んだ。
上総の言う通りだと思い、あたしは笑った。
「ってか、すごい人込みだな」
「そうだね、気をつけて歩かないとぶつかりそう…」
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