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「命に別状はないそうだ。ただ、出血のせいで、意識がいつ戻るかはわからないらしい」
「そう…ですか」
あたしはとりあえず命が助かったことにほっとした。
「意識もすぐに戻るといいけどな…」
そのあとあたしはうちに帰った。
病院にいても何も出来ないし、明日も仕事だったから。
きっと零も同じことをすると思う。
自分の仕事には責任を持たないと。
ただ、毎日絶対に零のところに通うことは決めた。
当たり前だけど。
零のいない部屋は、やけに広く感じた。
広すぎてなんだか淋しくなった。
あたしは気を紛らわせるためにお風呂に入った。
でも結局はいろんな思いがこみあげてきて、気を紛らわせるどころか余計に辛くなった。
まだ信じられなかった。
零にあんなことをしたのが眞鍋さんだなんて。
逆恨み?
零にプレゼンで負けたから?
そこから自分の人生が狂ったって?
ふざけてる。
あたしは静かにこみあげる怒りを落ち着かせようとした。
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