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「だいたい自分が30手前だとわかっているのか?いつまでも若いと思ってたら大間違いだぞ」
あたしと亜希は大笑いした。
ちなみに亜希とお兄さんは眞鍋さんのマンションで会っているから面識がある。
「亜希ちゃんも考え直したほうがいいんじゃないか?こんなチャラ男じゃ将来苦労するぞ」
「うるせー。余計なお世話だって。な、亜希」
「お兄さんにそう言われたらなんか考えちゃうなー」
「亜希!」
何とも必死な純也の顔を見て、あたし達は笑った。
その時だった。
「ん…」
みんなが一斉に零のほうを見た。
「零?」
四人でベッドを囲む。
そして零がゆっくりと目を開けた。
「零、わかるか?」
「兄貴…俺、何でここにいるんだっけ…」
眩しそうに顔を歪めながら、零はそう聞いた。
「刺されたんだよ」
「そうだったな…俺、何日くらい寝てたの?」
「五日だよ」
目を覚ました零を見て、なんだか嬉しくなって涙が出て来た。
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