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零の首に手を回した。
もう一度キスをする。
今度はあたしからだ。
舌を絡めあい、お互いの吐息が漏れる。
「それ以上されると、止まらなくなるんだけど…」
零は、あたしに遠慮しながら言った。
「…いいよ」
「でも…」
「あたしは…今の零としたいから」
零はあたしを寝室に連れていった。
スーツを着ていた零は、邪魔くさそうに上着を脱ぎ、ネクタイを抜いた。
それだけであたしはドキドキした。
「栞…」
あたしはベッドに押し倒された。
こんなシチュエーション久しぶりだ。
零はあたしの服を脱がせていった。
最初に全部脱がせる派だと前に言ってたのを思い出す。
そこは変わらないんだな、とあたしは零に気付かれないよう口元を緩めた。
「あっ…」
うつぶせにさせられたあたしの背中を、零はそっと指でなぞった。
触れるか触れないかのラインが気持ちいい。
「すべすべ…」
零はそうつぶやくと、今度は舌をはわした。
あたしの体は小刻みに反応する。
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