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「稼ぐね~、栞は」
「まぁね。まだまだ亜希と旅行行きたいし」
「そのためかよ」
零はすねた顔をした。
「零とも旅行行くよ。当たり前じゃない」
そんな話をしているときだった。
インターホンが連続して鳴り出した。
「…亜希かな。きっと」
モニターを見ると、やっぱり亜希だった。
「開けたよ~」
しばらくして、亜希が部屋に入って来た。
なんだかいつもと様子が違うことに気付いた。
「亜希?」
「しおりぃ~…」
亜希は突然泣き出した。
あたしも零もいきなりのことに驚いた。
とりあえず亜希を落ち着かせ、話を聞くことにした。
「どうしたの?」
「…別れた」
亜希は一言だけそう言った。
「え?」
「純也と別れた」
あたしと零は顔を見合わせた。
亜希は目に涙を溜めている。
「えっ…いつ?」
「今朝。栞達が籍入れた日だから本当はここに来るつもりはなかったんだけど…なんか一人でいたくなくて」
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