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「すぐ来るって」
「そう」
「…来るんだ。何言われるんだろ」
亜希が言った。
あたしと零は何も言えなくなった。
そのまま何も話さず、純也を待った。
しばらくして純也が来た。
「まぁ、座れよ」
零にそう言われ、純也は亜希と向き合う形でソファに座った。
「で、お前はなんでいきなり別れるなんて言い出したんだよ」
「…見たんだよ。こないだ」
純也は不機嫌な顔をして話し出した。
「亜希が男と二人で飲み屋にいるの」
「はぁ?」
「先週いただろ」
ここから二人の言い合いが始まった。
あたしと零は呆れてそれを見ていた。
「あれは上司よ。仕事終わって一緒にゴハン食べてただけじゃない」
「お前の会社はあんなに若い上司がいるのかよ。それに最近ケータイばっかりいじりやがって。どこのどいつとメールしてんだよ」
「最近は栞とだよ。ってか、別に誰とメールしようが勝手でしょ」
「勝手じゃねーよ。俺はそういうの嫌だって言っただろ」
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