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「行こう栞」
「えっ、ちょっ…」
亜希はあたしの手を引っ張って部屋を出ようとした。
あたしも零もそりゃぁ戸惑う。
だけど亜希の勢いは止まらなかった。
結局あたしはそのまま亜希のうちまで来てしまった。
「あームカつく!」
亜希はまだ怒りがおさまらないようだった。
ソファの上のクッションを何回も叩いてる。
「栞、今日は付き合ってよね」
「あ、うん…」
あたしは今日は亜希のところにいるねと零にメールをした。
そしたらすぐに返事が返って来た。
『新婚一日目からとばっちり喰らったな(笑)俺も純也に付き合うから気にすんなよ』
ホントにその通りだ。
思い通りに新婚初夜は過ごせないみたいだ。
でもまぁ、お互いの親友がこういう状況だったら仕方がないのかもしれない。
「純也が置いてったワイン飲んでやるー!」
あたしがケータイを閉じたとき、亜希がキッチンから高そうなワインを持ってきた。
「いいの?開けちゃって」
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