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「うんっ!栞大好き~」
亜希はそう言って子供みたいな無邪気な笑顔を見せた。
さっきまでの落ち込みようが嘘みたいだ。
それから飲み出したあたし達。
話しはほとんど純也のことだった。
どうやら純也には、少し前から女の気配があったらしい。
亜希は薄々それを感じながらも、純也のことが好きすぎて何も言えなかったらしい。
そして決定的だったのが、女からの電話だ。
純也のケータイを勝手に見たのか、直接亜希のケータイに電話が来たらしい。
「あんときはさ~、言葉でなかったよ。さすがに焦った」
今は笑って言ってるけど、その時は相当辛かったに違いない。
あたしはその時身の回りがバタバタしていたから、そんな亜希に気付かなかった。
「ごめんねー…亜希。もっと早くに気付いてあげられたら良かったのに」
「やー…なんか亜希も言いにくくて。亜希はさぁ…純也のこと信じたかったし…」
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