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亜希はテーブルに顔を伏せた。
「亜希、栞にもう一つ言わなきゃいけないことがあるんだ」
「え、どうしたの?」
伏せていた顔をあげ、亜希はあたしの目をじっと見た。
「亜希、生理来てないんだよね」
「え…」
「元々不順気味だったけど…来てないんだ。純也のことでいろいろあったからそれで遅れてるのかもしれないけど」
「調べてないの?」
「怖いの。出来てるって思いたくない」
亜希はグラスに手を延ばした。
でもあたしはそのグラスを先に取った。
「もうかなり飲んでるけど、飲ませないよ。そういう可能性があるなら、お酒もタバコもダメ」
「…だよね。最低だよね。亜希はいずれは純也の子供がほしいとは思ってた。だけど…今は…」
亜希は泣き出してしまった。
「別れちゃったもん…純也、亜希のこともう好きじゃないもん」
「亜希、まずちゃんと調べよう。それからもう一度ちゃんと純也と話し合おう」
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