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亜希と純也はまた向き合う形で座った。
あたしと零は少し離れてところにいることにした。
「話って何?純也、自分から別れるって言ったんだよ」
亜希が強めに言った。
「…」
純也は黙っている。
「黙ってないでなんか言ってよ」
「…ゴメン」
「純也は亜希と本当に別れたいの?もう亜希のこと嫌になった?亜希は浮気なんかしてないし、純也だけが本当に好きなの。純也はどうなの?」
亜希は不安そうな顔をして純也が答えるのを待った。
純也は少し考えた後、口を開いた。
「…亜希のこと信じてなくてゴメン。別れたいって本気で思ってなかったけど…亜希が楽しそうに他の男と飲んでる光景思い出したら、ついカッとなったんだ」
「浮気は?したの?」
「したよ。昨日ちゃんと手は切った。もう二度としない。俺は…亜希のことが一番好きだから」
二人の間に沈黙が走った。
しばらくして、亜希が鼻をすすった。
泣いているのだろうか。
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