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「…こんな亜希だけど、ずっとずっとよろしくね」
亜希は最高の笑顔でそう言った。
なんだかこっちまで嬉しくなった。
あたしと零は、二人の邪魔にならないようにそのあとすぐに亜希のアパートを出た。
「なーんか。落ち着いたのかな、あの二人も」
歩きながら、亜希と純也の話をした。
「なんかまた色々ありそうだけどな。その時はまたうちに押しかけてくるんじゃない」
あたしはその光景が容易に想像できた。
「有り得る!」
「だろ」
「でも、それはそれでいいんじゃない。あの二人らしくて」
「だけど、昨日みたくこっちの生活の邪魔されたら困るな」
「昨日?…あ」
あたしは零の言葉で思い出した。
昨日が大事な大事な新婚一日目だったことに。
「帰ったらやり直そっか。って、一日目は帰ってこないけど」
「そうだな」
零は優しく微笑んであたしの手をとった。
結婚後初のカップル繋ぎ(笑)
こうやってまた一つ一つを大事にしていきたい、あたしは強くそう思った。
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