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「しおりー!」 式が終わった後、チャペルの外で亜希に呼ばれた。 「今行くって。跳びはねないの!」 妊婦になっても亜希は亜希だ。 つくづくそう思う。 「なぁに?」 あたしは亜希の前に立った。 亜希は純白のドレスを着ていて、すごく綺麗だった。 「これ」 亜希はそれだけ言ってあるものをあたしに差し出した。 「…あたし結婚してるよ?」 亜希が差し出したのはブーケだった。 ほとんど身内だけの式のため、ブーケトスはしないって前に言っていたけど、まさかあたしにくれるなんて思ってもなかった。 「いいの。亜希が栞にもらってほしいの。次の結婚式は栞たちだよって意味を込めてね」 「…それはどうかな。でもありがとね」 結局あたし達は結婚はしたものの、まだ式はしていなかった。 その予定でさえない。 あたし亜希と違ってそこまで結婚式がしたいって思ってなかったし。 「おーい、亜希」 「あ、今行くねー。ちょっと行ってくるね」 .
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