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純也に呼ばれ、亜希はゆっくりと歩いていった。
零はというと、久しぶりに会った友人達と盛り上がっているようだった。
あたしはその場を離れ、さっきまで式が行われていたチャペルに入った。
最初に入ったときにも思ったけど、大きなステンドグラスがとても綺麗だった。
バージンロードをゆっくりと歩き、あたしは一番前の席に座った。
「ふぅ…」
亜希からもらったブーケを見つめる。
「結婚式かぁ…」
「したいの?」
あたしは驚いて声がしたほうを見た。
「零…びっくりした。入って来たの、全然気付かなかった」
「栞が入ってくの見えたから追いかけてみた」
零はそう言ってあたしの隣に座った。
「結婚式、したくなった?」
零が聞いて来た。
「んー…素敵だとは思うけど、そこまで積極的にやりたいとは思わないかな。人に見られるの嫌だし」
「栞らしいな。ま、俺は栞がやりたくなったらやるつもりでいるから。気が変わったらいつでも言って」
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