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それから、どうやらあたしはまた力尽きて寝てしまったようだった。 すぐに夢を見た。 泣いているのは…あぁ、あたしだ。 これはあの日だ。 零と最初に出会った、あの土砂降りの夜の日。 思い出さないようにしてたのに、夢に出てくるなんて。 『愛してるよ、栞』 …うそ。 もう信じない。 『結婚しよう』 そう言ってたのに、どうしてあなたはあたしを選んでくれなかったの? 「栞!」 もうあたしの名前を呼ばないで。 もうあたしの中に出てこないで。 「栞どうした!?」 気がつくと、零が心配そうに顔を覗き込んでいた。 「…零?」 「お前本気で泣いてた。嫌な夢でも見た?」 「ちょっと…ね。起きちゃったから、シャワー浴びてくる」 そう言ってあたしは足早と零から離れた。 今あたしには零がいる。 大丈夫。 そう自分に言い聞かせながら熱いシャワーを浴びた。 .
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