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「今までと違ってって、歴代彼氏は大事じゃなかったの?」
「そっ、そうゆうわけじゃないけど。でも純也は今までと違うの。こんなに燃えてる亜希は今までと違うよ」
亜希は純也をかなり好きらしい。
あたしも人のことはあまり言えないけど。
「でも、栞に彼氏が出来てよかった」
さっきまで熱く語っていた亜希は、落ち着いた声であたしにそう言った。
「前にも言ったじゃん。栞が幸せなら亜希は嬉しいって。あれ、心からそう思ってる」
「これからどうなるかはわかんないけど。少なくとも、零と出会えて好き会えたのは幸せだよ」
あたしの言葉を聞いて、亜希は優しく微笑んだ。
「あたしはもう大丈夫だよ。もう、あれからニ年経つんだよ」
「…栞が大丈夫ならいいけど。ただ、何かあったら亜希にはすぐ言ってね」
「ありがとう、亜希」
お互い明日も仕事だったから、あたし達はカフェを出てすぐに別れた。
帰り道、一人でずっと考え事をしていた。
過去、現在、未来。
あたしは、幸せになんてなれるのかな。
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