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押さえられていた腕の力が弱まる。
「それって酷くない?あたしよりご飯?」
零が笑う。
逆にあたしは一気に不機嫌になる。
「そんな顔するなよ」
「こんな顔にさせたのは誰よ…」
零を睨む。けっこう本気で。
あたしは今、絶対ブサイクな顔になってるはずだ。
「栞を味わうのは後からね」
零が優しく微笑んでキスをする。
あたしの不機嫌ボルテージは一気に消えた。
あたしって結構単純かも。
「…ずるい男」
零をどけて起き上がる。
あたしは零を無視して着替えることにした。
「いい体してるね。キレイな体」
ベッドに横になりながら、零はあたしをじっと見つめていた。
「あー…すごい触りたくなってきた」
「やーだよ」
さっとTシャツとスウェットに着替え、髪を適当に結ぶ。
「さー。ご飯作ろう」
少しだけ気合いを入れてキッチンに入る。
やっぱり彼氏にご飯作るってなったら頑張らないと。
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