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「嫌がらせって…ガキじゃん。あーめんどい」
「零にはちゃんと言っておいたほうがいいよ」
上総が忠告する。
どれだけヤバいんだろう、あの女は。
「上総はどうやって諦めさせたの?」
「さぁ?次の獲物が見つかったから、自然と離れていったんじゃないかな」
「それ…ただの男好きじゃん」
あたしは呆れたように言った。
でも、嫌がらせと聞いたからには少しは気をつけようと思った。
「なんかされたら俺らにもすぐ言えよ。てか、彼女なんだから堂々としていればいいと思うけど」
「ありがとう、章介」
あたしには零がいる。
それに、上総、司、章介っていう信頼できる仲間もいるし。
色んな男と付き合うような尻軽女に零を奪われてたまるか。
そんなことを考えていたら、いつのまにか終業時間になっていた。
零はまだ帰って来ていない。
この一ヶ月、そういうことはよくあったので、あたしは先に帰ることにした。
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