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場所は変わって零のマンションへ。 いつもあたしの部屋ばかりだから、実は零の部屋にはあまり入ったことがない。 ほとんど白と黒で統一された部屋で、なんだかあたしの部屋と似ている。 「で、次の狙いは俺ってわけか」 「さーぁ?そうなんじゃないかなぁ」 帰り道からずっと、あたし達はずっと辻井真奈の話をしていた。 零も間近で上総が付きまとわれていたのを見ているせいか、だるそうな顔をしていた。 「気をつけろよ、お前が特に。上総と噂になった子、陰口は叩かれるわ、トイレで水はかけられるわ、酷かったよ」 「…ライフかよ」 あたしはぼそっとつぶやいた。 「女は怖いなぁ。ま、気をつけろよ」 零が隣に座った。 「ねぇ、零ってなんでこんな広いマンションに一人で暮らしてるの?」 「いきなりなんだよ…」 「だって広いんだもん」 あたしは部屋をキョロキョロ見渡す。 「昔兄貴と住んでいたんだよ。兄貴は今海外にいるんだ。引っ越すのが面倒だからここに残っているんだよ」 「ふぅん…いい部屋だよね。キッチン広いしお風呂大きいし」 .
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