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次の日の夜から、早速あたしは荷造りを始めた。
ごちゃごちゃ物を置くのが嫌いなあたしの部屋は、必要最低限のものばかりだ。
「とりあえず、今時期着ない服は先に持っていこうかな…」
クロゼットを開けたときだった。
インターホンが鳴った。しかも連打。
「うるさいなぁ…」
こんな鳴らし方をするのは一人しかいない。
「今開けるって」
画面には、満面の笑みを浮かべる亜希がいた。
そういえば今朝、零と住むことになったってメールしたんだっけ。
「どうゆうことだぁ?亜希の知らないうちに同棲だなんて」
入って来るなり、亜希は詳しいことを追及してきた。
「住む?って聞かれたから住むって返しただけよ」
「かっこいいなぁ~零くん」
テーブルに紅茶を出すと、亜希はそれを半分くらい一気に飲んだ。
どれだけ興奮していたんだろう。
「でも、いらないもの捨てるいいきっかけだよ。引っ越しは」
「そうだね…」
いらないものというか、捨てなければいけないものはたくさんあった。
「まだあるんでしょ?」
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