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お昼になり、軽くメイクを直そうと思い更衣室へ入った。
「キャハ」
嫌な声がした。
辻井真奈だ。
向こうもあたしに気付いたのか、キツイ視線を送って来た。
「っていうか、嘘でしょ?佐島さんが好きで落としたって」
これはあたしに言っているのだろうか。
とりあえず辻井真奈のほうを見た。
雑談をしていた他の女子社員も一斉にこっちを向いた。
「あんたが色目使ったんでしょ?」
こないだの零にたいする喋り方とは大違いだと思った。
「なんとか言ったらどうなの?」
「どっちが好きで落としたとか、あなたには関係のないことかと思うけど。それとも何か関係でもあるの?」
あたしが言い返さないとでも思っていたのだろうか。
辻井真奈は黙ってあたしを睨んだ。
「何も言わないってことは、関係ないんでしょ?だったらほっといて」
無性にイライラしてしまったあたしは、そのまま更衣室を出た。
この日から嫌がらせ?が始まった。
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