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嫌がらせといっていいのかもわからないことから始まった。 辻井真奈のグループの子達だろう。 すれ違うたびにわざとぶつかってくるようになった。 陰口みたいのも聞こえてくる。 小学生かよ。 最初はそんな感じだった。 でもそれは、段々とエスカレートしていった。 階段を下りているときだった。 ドンッ… 「うそっ…」 明らかに誰かに背中を押されたのだ。 そのまま階段から落ちてしまったあたしは気を失った。 気を失う少し前、階段の上にうっすらと人影らしきものがあったけど、結局誰かもわからなかった。 気付けば医務室のベッドの上にいた。 「…」 「栞?気がついたのか!?」 目を開けると、零が心配そうな顔をしていた。 「大丈夫…」 ふと時計を見ると、七時を過ぎていた。 大分眠っていたみたいだ。 「お腹すいたから帰ろう、零」 「大丈夫か?どこも痛いところはないか?」 「うん。考え事しながら階段下りたらダメだね。落ちたのが低いところでよかった」 とりあえずそういうことにした。 零に心配をかけたくないとか、そういうことじゃない。 あたしが一人で片付けたいだけだ。 .
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