熱い夜。

６

どうゆうことだろうと思った。
辻井真奈の表情を見ると、言っていることは本当っぽい。

「っていうか、真奈もう佐島さんより素敵な人見つけたから。副社長と一週間出張してたんだけど、取引先にかっこいい人見つけちゃって。だから今まで突っ掛かってごめんねぇ」

拍子抜けした。
今までの出来事に辻井真奈が関係なかったら、一体誰が嫌がらせをしたんだろう。
まぁ、零はモテるから不特定多数の人が関わっているんだろうけど。

「じゃぁ階段であたしを突き落としたのも関係ないんだよね？」

「そんなこともあったの！？」

あたしが階段で突き落とされた話をすると、辻井真奈は不快な顔をした。
そして今日まで出張だったから、あたしが階段から落ちたことも知らなかったらしい。
ついでに言うと、上総と噂になって嫌がらせされた女子社員についても、辻井真奈は知らなかったらしい。
あたしのように直接言い合ったりはしたみたいだけど（笑）

「あなたが嫌ってるのをいいことに、それに便乗して嫌がらせしてるってことになるね」

「そうみたいね。…この件に関しては真奈に任せてほしい」

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