熱い夜。

７

「あたし会社に友達いないし、あんた面白いからいいかなーと思って」

「ホントに変わってるね。自分に嫌がらせした人と友達になろうなんて真奈は思わないし。でも嬉しいな。真奈でよければ、末永くよろしく」

差し出された手を握る。
居酒屋で不思議な光景だと思う。

「真奈のことは真奈って呼んで。真奈も栞って呼ぶし」

それからいろいろな話をした。
真奈の歴代の彼氏トークとか、まぁ男の話だ。
見たまんま、熱しやすく冷めやすいタイプで、彼氏が出来てもあまり長くは続かないらしい。

それから仕事の愚痴とか。
亜希とはよく仕事の愚痴を言い合ったりはしたけど、会社は別だから細かいところまでは説明しにくかった。
でも真奈とは同じ会社だから、○○部長が～なんて話も出来るから新鮮だ。

まぁ、あたしが同じ会社に話す人がいなかったから今さら新鮮さを感じているだけなんだけど。

真奈はなんだか亜希に似ている。
自分を名前で呼ぶところは同じだし、自分のことが大好きだし。

今度亜希に、真奈を紹介してみようかななんて思っていた。

．