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六月も半分が過ぎようとした日だった。 「栞ちゃーん、凜がそろそろ飲もうって言ってたよ」 凜とは、司の彼女のことだ。 前に髪を切ってもらったとき、飲む約束をしたのだ。 「あ、うん。いいよ」 「それでね、やっと零も栞ちゃんっていう彼女が出来たことだし、交流会ってことで全員彼女連れて来てみんなで飲まない?」 司のいきなりの提案に、一番に乗ったのは章介だった。 「それいい。おもしろいじゃん」 「でしょ。昨日凛と考えたんだ」 二人はノリノリのようだ。 「俺もいいと思うよ。ただ、全員の都合が合えばいいな。章介のところが一番難しいだろ」 上総が言われ、章介は内ポケットから手帳を取り出した。 「ちょうど金曜日ならあいてるけど、みんなはどう?」 「俺と凜は大丈夫だよ」 「あたし達も大丈夫だよね?」 その問いに、零が頷く。 「俺は確認してみるわ。返事昼過ぎると思うけど」 ケータイをいじりながら上総が言った。 .
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