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だいぶ時間も過ぎた頃、上総がみちるさんを呼んだ。
「まゆりが寝る」
まゆりちゃんを見ると、上総のひざ枕でウトウトしていた。
「俺ら先帰るな」
「ごめんね、先に失礼するね」
慣れた手つきで上総がまゆりちゃんを抱っこすると、三人は個室を出ていった。
「上総君、ホントのパパみたいだね」
凜ちゃんがつぶやいた。
きっとここにいる誰もが同じことを思っているに違いない。
「あんた達のお世話で慣れてるんじゃなーい?」
意地悪そうに葉月さんが男三人に言った。
凜ちゃんもあたしも笑いが止まらない。
「上総は面倒見のいい性格なの!俺らが迷惑かけてるんじゃない!」
章介が葉月さんに向かってそう言った。
零と司は頷いてるし。
上総達がいなくなって、あたし達は自然と六人で話すようになっていた。
章介は今までまゆりちゃんがいたから気を使っていたのか、タバコを吸い出した。
それを見て、凜ちゃん以外の喫煙者もタバコを取り出した。
「やっぱ子供の前ではね…」
葉月さんが言った。
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