いち

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ドーターは、浜辺に小屋を造ってもらい、そこで一人で暮らす事となった。 まだ乳飲み子である彼女を、同じ子どもを持つ女たちが交代で、添い寝と乳を与えた。 彼女は、あくまで村の娘だったので、誰も彼女を邪険にしたり、また独占する事も無かった。 善良な村人たちは、ただ彼女を淡々と世話し続け、そうして淡々とした愛情を注いだ。 風はそうして、 日々健やかに育てゆくドーターを確認すると、安堵の息をついて、彼女の住む地に根をおろした。
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