いち

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確かに、ドータは、 いつも風をまとっていた。 風はいつも、ドータのそばについていたので、彼女が歩くたび、彼女の髪や衣服を、はたはたと揺らし、不意に近づく者があれば、突風となって、その者にあたる事もたびたびあった。 だから、村人たちは、ドータに用のある時は、先に彼女に声をかけ、彼女が風を制したのを見届けてから、用件を話すようになった。
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