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「おまえは、誰?」
見えない風を身にまといながら、ドータは揺れる自分の髪元に向かって、声をかけてみた。
けれど、返事はない。
そんな問いかけを、何度かしたのち、不意に、自分の行動が可笑しくなって、彼女は息を吐き出して笑い出した。
「居もしない者に、声をかけるなんて、可笑しなこと」
すると、とつぜん突風が吹いて、声が返ってきた。
―わたしは、あなたを守る者―
驚いたドータは、風の吹いた方向を急いで振り返ってみたが、姿は何も見えなかった。
「誰?」
ドータは声をかけて聞いてみたが、声はそれっきり返ってこなかった。
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