二章 白き光

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優雅とも言える無駄の無い挙動で、純白のVRは地に降り立った。 「こ、こいつは…、テムジン?」 しかし、細部が微妙に異なっている。 (まさか、第二世代型?) と、見たことも無い新型がいきなり現れたことにラキトが面食らっていると、 『RNAの兵士よ』 「!」 『私の後ろに下がれ、多少は“シャドウ”のノイズから護ってやれる』 エニス・レアリスと名乗ったパイロットはそう言うと、“シャドウ”の前に立ちふさがった。 通信機ごしでもわかる凛とした声。 ラキトは押し潰されそうな程に凄まじかったプレッシャーが、徐々に和らいでいくのを感じていた。 「…“シャドウ”?それがあの黒づくめの名前なのか?」 多少余裕ができたのか、ラキトが問うた。 『……ほう』 だが返ってきたのは質問の答えではなく、感嘆の呟きだった。 「な、なんだよ…」 『いや、大した奴だと思ってな。並の人間なら…』 「!!、後ろっ!」 会話の為に自分から注意がそれたのを好機とみたのか、“シャドウ”は白い『テムジン』に切りかかった! バシイィィ!! 『…不粋な奴め』 だがエニスは『テムジン』を振り向かせもせず、右手のランチャーをビームソードに切り替え、その一撃を受けとめていた。
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