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だがしかし、リリン・プラジナーは大方の予想を裏切り非常に有能な指導者であった。
メインスポンサーを務めるDNAの組織改革を断行し、敵対するRNAに対抗しうるだけの力を獲得させ〔圧倒させる事さえ可能であったが、それでは限定戦争市場は活気づかない。あくまで二勢力の均衡を保ち、戦闘を長引かせて利益を得ようとしていたらしい。〕、一時は自陣営から離脱しかけた各プラントを繋ぎ止めてFR-08体制の崩壊を防いだ。
(それにしても、“本物”だな、これは…)
まさしく、リリン・プラジナーは“本物”の指導者であった。
「ラキト・ファルテスタ?」
「…っは?!」
リリン・プラジナーの声がラキトを現実に引き戻す。
どうやら考え込んでいたらしい。
「…お疲れのようですね。部屋を用意させましょう、今日はゆっくりお休みなさい」
「い、いや、しかし」
「“シャドウ”との遭遇は貴方の精神に多大な負担をかけている筈、今日のところはお休みなさい」
「…わかりました」
へたに逆らう事はない。それに、疲れているのも事実であるし。
「では詳しい事は後ほど。それでは…」
二人の従者と共にリリン・プラジナーは去っていった。
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