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「…っまだまだぁ!」
「よかろう、こいっ!」
ガキィィン…!!
“リビエラ”の甲板上でぶつかり合う二機のVR。
パイロットはラキト・ファルテスタとエニス・レアリス。
乗機は『MBV-707-Gテムジン』の白光騎士団専用特別仕様機だ。
VRの心臓部であるV-コンバータ出力にして、通常の第二世代型の数十倍を誇る地球圏最強の機体である。
ガキャァ…バシィィ…ン…
「どうした?動きが鈍くなっているぞ!」
「くっ…!」
だがこの機体を操る為には、超人的な技量が要求される。
普通のパイロットでは戦闘どころか、ただ歩かせる事すら困難だろう。
それを踏まえれば、まがりなりにも操れているラキトは大したものなのだ。
しかし…
「これでまた…一本!」
エニスの一太刀が決まる。
ヴァシュウゥゥ!
「うあぁっ!?」
それだけでは、闘いには勝てない。
ズゥゥウン…
「二十本目だな、ラキト」
「……チッ…」
コクピットでラキトは観念したかの様に目をつぶる。
(…ダメだ…このザマじゃ)
己の腑甲斐なさを呪う。
(こんなんじゃ…)
(“シャドウ”には勝てやしない…っ!)
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