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‥‥一ヵ月前
浮遊空母“リビエラ”
最深部・白壇の間
「これを…俺に?」
ラキトの前にあるのは騎士団の力の象徴、純白の『テムジン』。
エニスの機体と同型機だ。
「貴方が立ち向かわなければならない脅威に、対抗しうる力を持った機体です」
リリンが『テムジン』を見上げる。
「我が白光騎士団にも、未だ数機しか配備されていない第二世代型の『テムジン』をベースにしています。“シャドウ”とも互角以上に闘えるでしょう」
「でも、どうして…」
ラキトが問う。
何故そんな貴重な機体を自分に?
白光騎士団の騎士でもないのに?
リリンは視線を戻し、ラキトを見つめた。
揺るぎない意志を湛えた瞳。
引き込まれてしまいそうだった。
‥やがて、リリンが口を開いた。
「貴方が出会った“シャドウ”は、『貴方でなければ』滅する事が出来ないからです」
「俺でなければ…?」
「といっても、貴方だけに限った事ではありません。これは“シャドウ”と出会ってしまった者が、乗り越えねばならない不可避の運命(さだめ)」
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