四章 “影”再び

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そう言うとリリンは間の中央、自らの玉座へと歩きだす。 「“シャドウ”は、一度狙い定めた者を決して逃がしはしません。その命を、心を喰らいつくすまで、決して」 「……」 「たとえその前に誰かに打ち倒されても、また新たな姿で現れるのです。」 「…だから、か」 あの時、 エニスが“シャドウ”を倒そうとしなかったのも。 自分が戦死扱いにされ、ここ“リビエラ”に連れてこられたのも。 ラキトの前に再び現れるであろう“シャドウ”を倒す為に… 「そう、貴方の思う通りです」 ふわり、と少女は玉座に身を沈め、 「“シャドウ”がもたらす災厄を広げぬ為、確実に彼の者達を葬りさる為に」 そして静かに言い放った。 「その命、私にください。ラキト・ファルテスタ」 ‥‥そして現在 (…死んでたまるか) たとえ自分が“シャドウ”を釣る餌だとしても、“シャドウ”を撃つ為だけの鉄砲玉だとしても。 (生き抜いてやるさ…絶対に!) 「まだやるか?ラキト」 「ハッ、当然!いくぞエニス!」 『テムジン』を立ちあがらせ、ラキトは戦闘体勢を整える。 「フフッ、そうこなくてはな!」 どこか嬉しそうにエニスも構える。 模擬戦二十一本目が今まさに始まろうとした時、 『二人共、いいかげんにしなさい!!』 割れんばかりの大声で横槍の通信が入る。
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