四章 “影”再び

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「~~~っ」×② いかな超人的な技量を持つパイロットであっても、〔耳〕は鍛える事は出来なかったらしい。 「~シ、シャル?一体何だというのだ?」 エニスは少々涙目だ。 『何だ、ですって』 ―それはまるで津波の前の引き潮に似て。 いかん、とラキトは耳を塞ぐ。 『だったら懇切丁寧に説明してあげるからとっとと格納庫に戻ってきなさーい!!!!』 余談ではあるが。 白光騎士団の技術将校、 シャーロッテ・ライナリーは別名「カミナリ博士」と呼ばれている…。 「…胸部装甲は全部取り替え、左前腕部駆動系が動作異常、その他損傷部品は数知れず」 シャルこと、シャーロッテ・ライナリー博士は、整備レポートを青筋浮かべながら読み上げた。 「アンタ達は―」 ラキトとエニスを睨みつける。 「この機体が!地球圏最強の機体であると同時に、地球圏最・高・値の機体だって事を忘れてんじゃないでしょうね!!」 白光騎士団のVRは、人知を越えた存在である“シャドウ”に対抗する為に、採算度外視の機体性能を極限まで引き上げるチューニングが施されている。 他にも対“シャドウ”用の特殊装備等、地球圏最高・最新の技術が惜しみなく導入され、性能だけでなく機体単価も通常のVRとは次元が違うのだ。
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