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「まだまだ、いくぞエニ…ス……」
ラキトは機体を起こすが、空中のある一点を見つめそれきり動かなくなる。
「?、どうしたラキト?」
「………」
「ラキト?」
ラキトは答えない。
虚空を睨みつけたまま。
※
【……】
向こうも気付いたらしい。
今度は逃がさない。
【…ラ…】
“影”が身を屈める。
獲物を前にした獣の如く。
【…キ…ト…】
その眼は真っすぐにラキトを捉えていた。
※
ブオォ…ン…
ラキトは『テムジン』にビームソードを構えさせる。
(…!、まさか?!)
エニスも異変に気付き、ラキトの視線を追う。
次の瞬間、空間が歪んだ。
歪みは渦を巻く様に徐々に大きくなっていく。
そして歪みは黒色の球体へとその姿を変えた。
「来たか…“シャドウ”!」
ラキトの『テムジン』が飛び出す。
「くらえーッ!!」
そしてそのままビームソードを球体へと振るった。
ビームソードの光刃がまるでブーメランの様に撃ち出され、一直線に球体に向かう。
必殺の一撃が球体を切り裂こうとしたその時、
バシィィ!
突然球体から生えた巨大な爪に光刃が捕われた。
「な!」
そのまま握り潰され、あえなく光刃は消滅してしまう。
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