85人が本棚に入れています
本棚に追加
『RVR-68ドルドレイ』
電脳暦a3年、RNAに制式採用された重戦闘VRである。
特筆すべきは、その驚異的な耐弾性能と類い稀な突貫力で、遠距離においては通常の射撃攻撃を全く寄せ付けず、中・近距離においては左腕のドリルを用いた突撃戦法でDNAのVR部隊を苦しめたという。
「チッ、『ドルドレイ』とはなかなか良い機体を手に入れたじゃないか」
元RNAのパイロットだったラキトにとってはよく知った機体だ。
それ故に、敵にまわった時の恐ろしさもよく解る。
【……】
“シャドウ”がドリルを前に突き出し、身を屈める。
そしてドリルが唸りをあげ回転を始める!
「!、来るぞエニス!!」
ドンッ!!
一瞬でトップスピードに達する“シャドウ”。
「チイッ!」
「くっ!」
それぞれ左右に別れ回避するラキトとエニス。
ガガガッ!!
二人の背後にあった連絡艇が“シャドウ”の突撃を受け、瞬く間にスクラップと化す。
この突撃は俗に『ドリル特攻』とパイロット達の間で呼ばれ、『ドルドレイ』の代名詞となっている。
「何とも…凄まじいな、あの突撃戦法は」
「ああ、一度発動したら止める術は無い」
「…ならば」
エニスが気付く。
「そう、止められなければ…」
ラキトが答える。
『『その前にケリをつける!!』』
同時に二人は駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!