一章 “影”との邂逅

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レンタリア第71戦区。 砂漠化した内陸部に存在する限定戦争用地である。 限定戦争とは、一定のルール、制限を設けた実際の戦争の代替物的なもので、それらを取り仕切る業者が貸し出す戦闘用地をレンタリア(レンタルとエリアの造語)と呼ぶ。 第71戦区にはいくつかのエアポートが点在している。 それらを争奪の対象とし占領した数で勝敗を決する、というのがこの戦区の傾向であった。 「これで三つめ…」 RNAに所属する『RVR-42サイファー』の若きパイロット、ラキト・ファルテスタ少尉は愛機を占領したエアポートに降り立たせた。 防衛していたのは5機の『MBV-04-10/80spテン・エイティスペシャル』であったが、ラキトの技量と『サイファー』の高機動性の前では敵ではなかった。 「所詮DNAは数だけか、もらったな今回も」 現在の限定戦争市場を二分するDNAとRNAの二大勢力。 単純な戦力比ではDNAが圧倒していたが、その保有するVRの多くは旧式の第一世代型であり、戦闘における明確なVR運用法も確立していなかった。 対するRNAは総戦力では劣るものの、最新の第二世代型を主力として配備、効率的な運用法も早くから確立されていた。image=48145166.jpg
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