四章 “影”再び

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ブォォン…! 振り下ろしたソードから光刃が放たれる。 クローに向かって光刃は突き進んだが、“シャドウ”はドリルを振るい、光刃を弾く。 【……!?】 しかし光刃のすぐ後ろにつけていたラキト機が、その隙に“シャドウ”に肉迫する。 「はああーっ!」 突き出したソードの切っ先がクローに突き刺さる。 【!!】 クローの拘束が弛む。 「エニス!」 素早くエニス機を助け出すラキト。 そして少し離れた場所まで抱えていく。 「エニス!エニス!!」 通信機に向かって叫ぶラキト。 「…う…ラキト…」 「エニス!大丈夫か?」 「ああ…何とか…な」 だがその声は弱々しい。 機体も所々焼け爛れていた。 「…後は任せろ」 甲板にエニス機を横たえるとラキトはライフルを構えさせる。 「ま、待て…ラキト」 機体を起こそうとするエニス。 ラキトがそれを止めようとした時、 『そうよ!ラキト君ちょっと待って!!』 「!?、博士?」 「シャル?」 突然シャルが通信に割り込んできた。 『出来た!出来たわよ!!ラキト君!!』 「な、何が」 『フフフ、とっても良いモノよ、とってもね…フフフ』 (異様なテンションになっていると感じるのは気のせいであろうか…) 一抹の不安を二人は感じていた。
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